北アルプス槍ケ岳(標高3180メートル)を1828(文政11)年に開山した播隆(ばんりゅう)上人(1786〜1840年)の奉賛会が、同上人が書いた「南無阿弥陀佛」の文字を背中にプリントしたTシャツを作った。5日に槍ケ岳山荘で開く第42回播隆祭に合わせ販売する予定。Tシャツを通じ播隆上人の功績を伝えるとしている。
新型コロナウイルスの影響で定員を減らすなどし、例年と比べて山小屋の収益が減っていることから、Tシャツの売り上げは製作費以外、同山荘に寄付する。Tシャツは100枚限定で、槍ケ岳山荘のほか、槍沢ロッヂでも販売。値段は同山荘と調整中だ。南無阿弥陀佛の文字は、松本市大村の玄向寺に残る播隆上人が書いた掛け軸を基にした。2日に玄向寺で安全祈願をした上で納品する。
同会代表で玄向寺副住職の荻須真尚さん(44)は「毎年お世話になっている山小屋を少しでも支援できればうれしい」と話している。
同会は毎年、同祭に合わせて播隆上人の功績をたたえる「追慕登山」を実施しているが、27回目の今年は新型コロナの感染拡大防止のため規模を縮小。県内在住の14人で4日に出発し、3泊4日の日程で槍ケ岳山頂を目指す。
写真説明:背中に大きく「南無阿弥陀佛」と書かれたTシャツ