北安曇郡白馬村で20日、小型無人機ドローンを使った山間部での荷物配送の実用化に向けた飛行テストがあった。実際にドローンが通過するルートを決定する目的。北アルプス白馬岳の登山口の猿倉(標高約1200メートル)から、白馬大雪渓下部の白馬尻までの約1・4キロ区間を飛行した。
村や山小屋などでつくる「村山岳ドローン物流実用化協議会」が企画。山小屋の多くが頼るヘリコプターの代替手段としてドローンを活用する狙いで昨年度から取り組んでいる。
輸送は猿倉を発着点に、標高差約1500メートルの村営頂上宿舎や白馬山荘に向かうルートを想定。道中を3区間に分ける。この日テストした猿倉と白馬尻の標高差は約310メートル。ドローンはレタスなど約2・5キログラムの荷物を積んで1往復し、トラブルもなかった。
10月をめどに再び飛行テストをする方針。同協議会でドローンの運用を担当するドローン事業者「マウントリブラ」(白馬村)の石野真・最高経営責任者(CEO)は「標高が高いとバッテリーの消費が多いなど、山間地特有の課題への対策に力を入れていきたい」と話していた。
写真説明:オレンジ色の袋に入った荷物を運ぶドローン=20日、白馬村