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中ア、観光と保護どう両立 19年度中にも国定公園化
2019/04/02 10:08
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 県は、中南信地方13市町村にまたがる中央アルプス県立公園の国定公園化を目指している。3月に環境省への申し出を済ませ、2019年度中にも指定される可能性がある。千畳敷カールに続くロープウエーがある駒ケ根市などで観光振興への期待が高まる一方、市町村によっては温度差も。登山道や道標の整備といった課題も多く、観光と自然保護をどう両立させるかを含め議論を深めるには、県の調整が重要になる。

 ロープウエーの通年運行で標高2600メートルまで気軽に行ける千畳敷カール。3月31日、家族3人で訪れた静岡県富士市の会社員佐藤美徳(みのる)さん(44)は「(国定公園化で)入山者への規制が厳しくなっても環境が良くなるならうれしい」と話した。この日は冬山装備の団体に交じり、幼児やタイ人観光客もいた。

 ロープウエーを運行する中央アルプス観光(駒ケ根市)によると、17年度の乗客は21万7千人余。通年では減少傾向だが、12月〜翌年2月の冬季の乗客は増加し、18年度に初めて1万人を超えた。近年は外国人客が急増している。

 駒ケ根市の杉本幸治市長は「国定公園になれば海外発信のインパクトが違う」と期待を隠さない。27年に開通予定のリニア中央新幹線によるアクセス性向上にも期待し、「麓でも魅力的なまちづくりをしたい」と意気込む。

 一方、中ア西側の木曽地方からの登山道は中級者以上向けで、登山者の大幅な増加は見込めない。木曽観光連盟(木曽町)は、国定公園化に向けて「表立った動きはない」。中ア南側の阿智村も、担当者は「恵那山の長野県側のみが国定公園の範囲。岐阜県側も足並みをそろえられればと思うが…」とする。

 県の公園計画案では、千畳敷カールなどを「特別保護地区」に設定する方針。ほかのエリアも環境保護や開発規制に応じて第1〜3種特別地域などに分ける。

 中ア保全管理委員の小川清美さん(71)=駒ケ根市=は「花だけでなく、草むらや石も大事。そこにしかいない生物がいる」と、歩ける範囲を限定する登山道整備が急務と強調する。踏み荒らし防止に向けてキャンプ場整備も必要になっている。

 登山道や道標、山小屋の整備は各自治体が担っている。中ア地区の山岳救助隊員を40年ほど勤めた県山岳協会長の唐木真澄さん(75)=伊那市=は「尾根筋は自治体の境で、登山道整備の責任の所在が分かりにくい」と指摘。道標の表記のばらつきなどが課題といい、「行政は国定公園化を機に認識を新たにして、もっと熱心に取り組んでほしい」と訴えている。

写真説明:冬でもロープウエーで気軽に行ける千畳敷カール=2月2日


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