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山岳遭難者の救援支援システム白馬で開発実験 
2018/08/19 13:30
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 広島大病院(広島市)などのチームが18日、北安曇郡白馬村で山岳遭難者の救援支援システムの開発実験をした。登山者に電波を送受信する携帯端末(子機)を持って入山してもらい、遭難した場合は、小型無人機ドローンなどを経由して情報をやりとりして登山者の位置を特定する試み。携帯電話よりも消費電力が抑えられ、遠距離通信も可能なシステムで、救助の効率化や二次災害の防止につなげる狙いだ。

 2017年の山岳遭難事故は全国で2583件で、統計が残る1961年以降で最多。広島大病院救急科は医療へのICT(情報通信技術)利用に取り組んでおり、急増する山岳遭難に対応しようと1年前から開発している。白馬村は全国でも登山者が多いことなどから実験場所に選び、実際の登山道などで検証した。

 救援支援システムは、山中の登山道などに中継機を置き、登山者の位置情報を子機から親機に送信して把握する仕組み。電波が届かない場合は、中継機をドローンやヘリコプターに積んで飛ばし、位置の特定を図る。

 通信方式は、消費電力を抑え、遠距離通信が可能な「LPWA」を使用。5〜12キロ程度離れてもデータの送受信ができるため広範囲で捜索可能で、子機のバッテリーを長持ちさせることもできる。親機をパソコンとつなぎ、地図と登山者の行動記録を重ねて表示でき、遭難場所の把握や推測に役立てる。

 実験には、ドローン製造・開発の「イームズロボティクス」(福島市)や、システム開発などの「東洋電装」(広島市)、認定NPO法人全日本ヘリコプター協議会(岐阜県)、山岳救助に取り組むNPO法人「ACT」(白馬村)などが参加。この日は岩岳山頂付近や八方池山荘付近に中継機を置き、山中の登山者と、麓のホテル付近から親機で交信。ドローンやヘリも飛ばして、ホテルから最大約8キロ離れた地点で位置の特定に成功した。ただ山で遮られて受信できない場所があるなどの課題も見つかった。

 今後は登山者からメッセージを送る仕組みや、生体反応を確認できる仕組みの改良、子機(現行縦20センチ、横10センチ、厚さ3センチ)の小型化などに挑む計画。チームを統括する広島大病院の儀賀普嗣(ぎがひろし)医師(33)は「見つかった課題を詳しく分析して、今後につなげたい」としている。


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