中央アルプスの高山植物保護などについて考える「ウスユキソウサミットin宮田」が11日、2日間の日程で宮田村で始まった。中ア固有種のコマウスユキソウを村の特別シンボルに制定して20周年になるのを記念した初の催し。この日、村民会館で行われた講演とパネル討論には約50人が訪れた。
講演では、県環境保全研究所(長野市)主任研究員の尾関雅章さんが「エーデルワイスの仲間のウスユキソウは日本に7種類生息している。日本アルプスに分布しているのはコマウスユキソウだけ」と紹介。今後の高山植物の保護に向けては、鹿などによる採食を防ぐのが重要な課題とし、「自然の魅力を地域経済の活性化に生かし、自然の保護に還元していくのも大切になる」とした。
パネル討論には小田切康彦村長や、ウスユキソウが生息する北海道島牧村の藤沢克村長、岩手県花巻市の藤田哲司・大迫総合支所長ら5人が登壇。生息数の変化や食害の現状などを話し合った。
12日は宝剣岳(2931メートル)南側の極楽平でウスユキソウの群生地を見学する催しを開く。
写真説明:高山植物保護や観光振興について議論したウスユキソウサミットin宮田=11日、宮田村