北アルプス蝶ケ岳(2677メートル)の写真集を、山頂近くの山小屋「蝶ケ岳ヒュッテ」が創業60周年記念で自費出版した。ヒュッテがほぼ毎年作るカレンダーの写真を担当する山岳写真家熊沢正幸さん(63)=東京都=の47点を収録。ヒュッテ社長の神谷圭子さん(53)=松本市=は「四季の物語を読んでいるような気持ちにさせてくれる1冊」と話している。
収録写真は、2000年に作り始めたカレンダーに掲載してきた90点から厳選。安曇野の水田が朝日に輝く蝶ケ岳からの眺望や、雪をかぶってソフトクリームのように滑らかに見える冬の穂高連峰などが並ぶ。40年ほど前から蝶ケ岳を撮り続ける熊沢さんは「大勢に魅力を知ってもらえればうれしい」と語る。
ヒュッテは、神谷さんの父の義親さんが1956(昭和31)年に国の許可を得て建設を始め、59年に完成。これに先立つ56年からテント泊の営業を始めており、ヒュッテは創業年を「56〜59年の間」としている。20代初めに経営を引き継いだ神谷さん。仕事と両立させてきた子育ても落ち着き、節目の写真集出版を思い立った。
写真集「蝶ケ岳」は縦17センチ、横18センチで64ページ。1冊1800円(税込み)で1500部印刷。問い合わせは蝶ケ岳ヒュッテ(電話0263・58・2210)へ。
写真説明:写真集を手にする神谷さん