伊那市高遠町のソバ生産者やそば店などでつくる高遠そば組合が、「寒ざらしそば」を23日から、市内の加盟7店で限定販売する。冬の清流に浸し、2週間ほど天日と寒風で乾燥させた実で打った十割そばで、旧高遠藩が将軍に献上したと伝わる。9日は試食会があり、「歯応えと甘みがあって上品な味」と関係者らがPRした。
同組合によると、冷たい水や風にさらすことで、あくが抜けて甘みが増し、風味を落とさず夏まで保存できる。今年は高遠、長谷産の実約150キロを大寒の1月20日から立春の2月4日まで長谷地区の清流に浸した。
この日は組合員ら10人余が試食。副組合長の山根健司さん(54)は「暖冬で雪が少なく心配だったが、寒ざらしそばならではの甘みが出ている。伊那の名物として定着させたい」と意気込んでいた。
壱刻、ますや、楽座紅葉軒、華留運(ケルン)、紅さくら、きし野、梅庵で提供する。各店150食限定で、1食1200円(税込み)。
写真説明:寒ざらしそばを試食する関係者ら