大阪府出身の元会社員、岸野靖典さん(41)が10日、伊那市東春近のゲストハウス「赤石商店」でそば店「きし野」を開業した。高遠そばのおいしさに引かれ、そば店を開きたいと昨年6月、同市に家族で移住。伊那商工会議所(伊那市)が取り組むそば店開業講座で腕を磨くなどし、「夢への第一歩を踏み出せた」と張り切っている。
岸野さんは義兄がそば店を営む同市高遠町を度々訪れていた。辛み大根の搾り汁や焼きみそで味わう高遠そばを知り、自分で打ちたいと思った。
「きし野」では高遠町産の「信濃1号」を使ったそばを提供。香りの違いを感じてもらおうと、ソバの実の外側の殻をむいてひいた「丸抜き」と殻をむかずにひいた「玄挽(くろび)き」の2種類のそば粉を用意している。
岸野さんは本格的にそば打ちを学び始めて約1年半。「まだまだ修業中」だが、「伊那のそばのおいしさを伝えられたらいい」と話している。営業は火、水曜日の午前11時半〜午後3時。
写真説明:出来上がったそばのこだわりを説明する岸野さん(中央)