伊那市長谷浦で採取したとみられる在来種のソバの復活を目指す「信州そば発祥の地伊那そば振興会」は13日、同市高遠町のそば店で西日本各地の在来種の試食会を開いた。会員のそば店主ら15人ほどが参加。会員の1人、山根健司さん(50)が、各地で譲り受けた8種を打って提供した。
振興会が持つ種は2014年に有志が県内施設で発見した。夏に種をまき、5〜10年後をめどに商品化し、地域振興を図りたいとしている。試食会は、他地域の在来種の味も確かめ、特徴などイメージを共有しようと開いた。
山根さんは昨年12月から今年2月にかけ、島根、福井県などの農家やそば店主らを訪問。約20種の在来種を譲り受けた。試食会では在来種の栽培法や生産量を紹介し、「品種によって打ち方が変わる」と話した。
参加者は、味が分かりやすいようにやや粗びきの太打ちを味わいながら、風味や甘みを5段階で評価。そば店主の守屋豊さん(63)は「在来種は味が濃い。伊那でしか食べられないそばの提供を目指すことが大事」と話した。
写真説明:西日本の在来種で作ったそばを食べ比べる店主ら