上伊那郡箕輪町は来年度、赤ソバの「食」への活用に力を入れる。同町上古田区の赤ソバ畑「赤そばの里」(約4・2ヘクタール)では毎年秋に「赤そばまつり」が開かれ、鮮やかなピンクの花が一面に広がる眺めは町内外に知られている。目だけでなく舌でも赤ソバを味わおうと、半生麺などで商品化したり、町が整備中の飲食施設などで手打ちそばを提供したりする計画だ。
赤そばの里では、遊休荒廃地の利用と観光を目的に町が赤ソバの種を購入し、地元住民でつくる「古田の里赤そばの会」が種をまいている。同会は花の時季に赤ソバのそばを提供しているが、これ以外に食べる機会は少なかった。他の時季に訪れた観光客からも赤ソバのそばが食べたいとの声があったという。
町産業振興課によると、赤ソバは一般的なソバと味や香りに大差はない。町は来年度、「赤そば活用事業交付金」として668万円を町の第三セクターみのわ振興公社に交付。半生麺の生産は公社が業者に依頼する。賞味期限は3カ月ほどで、赤ソバの花が咲いている間に販売する。
手打ちそばは、同町大出に町が整備し、同公社が指定管理者になって7月にオープン予定の「にこりこキッチン たべりこ」で提供。町は、町内のそば店でも扱うよう協力を求める考えだ。
写真説明:ピンクの花が一面に広がる箕輪町上古田の赤ソバ畑=2013年9月