茅野市内のそば店主やソバ生産者などでつくる「そば産業推進会議」は13日、高級そばとしてブランド化した「寒ざらしそば」の仕込みを同市金沢の金川で始めた。ソバの実を清流に浸し、寒風で乾燥させることで甘みが増すといい、この日は約300キロの実を川底に沈めた。
寒ざらしそばは、江戸時代に諏訪地方を治めていた高島藩が将軍家に献上したとされ、2006年に復活させた。作業には同会議の会員ら約10人が参加。腰まで覆う釣り用の長靴を履いて水温0度の川の中に入り、つるはしで水面の氷を割り、網状の袋に詰めたソバの実を重機で60~70センチの深さまでゆっくり沈めた。ソバの実は1週間から10日ほど浸してから引き上げ、1カ月ほど寒風にさらす。
昨年と同じ約900キロを仕込む。例年、大寒(ことしは今月20日)ごろに作業しており、同市の玉川穴山と北山湯川でも川に浸す予定だ。乾燥させたソバの実は貯蔵庫で保存。7月19日から市内の手打ちそば店11店で一斉に提供し、計4500食分がなくなり次第終了する。
同会議代表で同市金沢のそば店主、宮坂新一さん(45)は「ことしは寒さが厳しく、気象条件が良い。実の状態をきめ細かく管理し、より良い品質にしたい」と話した。