そばアレルギーの主な原因となるタンパク質「グロブリン」の働きを低下させる方法について、飯田女子短大(飯田市)の友竹浩之教授(42)=基礎栄養学=が代表を務める研究グループがまとめた論文が、米国の食品関連科学誌の6月号に掲載された。そば粉を加熱処理することでグロブリンが水に溶けにくくなり、アレルギーの原因となる抗原としての働きが弱くなることを明らかにした。
友竹教授によると、そばアレルギーの原因となるタンパク質の働きを抑える研究はあまり進んでいない。そこで友竹教授は、日穀製粉(長野市)主任考査役の山崎利喜男さん、徳島大非常勤講師の大和正幸さんと共同で、5年ほど前からグロブリンについて研究してきた。
実験では、水蒸気圧を使った加熱装置で、アルミホイルで包んだそば粉を121度で5、15、30分、110度で30分、115度で30分それぞれ加熱処理し、グロブリンの水への溶けやすさを調べた。マウスでグロブリンにのみ反応する抗体を人工的に作り、グロブリンとの反応の強さを調べた。
その結果、より高温で長時間加熱した方が、水に溶けにくいことを試薬で確認。グロブリンと抗体の反応が弱くなったことも別の試薬などで調べた。
友竹教授は「実際にアレルギーを抑えるにはまだまだ研究が必要。さらに進めたい」としている。
写真説明:米国の食品関連科学誌に掲載された論文を手にする飯田女子短大の友竹教授