茅野市内の遊休農地を利用してソバ栽培をしている「八ケ岳岳麓(がくろく)蕎麦(そば)園」(湖東)が21日、収穫したソバを製粉してそばを提供する店を敷地内にオープンさせた。導入した小型製粉機は、地元のそば店や自家用にも利用してもらう予定。市内産のソバを原料にした乾めんやそば焼酎も販売し、ここを拠点に市内を「そばの里」にしたいと考えている。
同社は遊休農地約100ヘクタールでソバを栽培している。建設会社を経営していた小平忠良社長(62)が自前で建てた店は木造平屋約100平方メートル。飲食・販売スペースと製粉室がある。飲食業の許可を県に申請中で、許可が出たら、市内産のそば粉で打ったそばを味わってもらう。
販売スペースには自ら育てたソバを使った乾めん「忠良さんのそば」や、飯田市の酒造会社に醸造を委託しているそば焼酎「そばの里」を並べた。寒天製造の時に出る海藻の搾りかす「天がら」とそば殻を混ぜて作った堆肥(たいひ)をソバ栽培に使っていることから、寒天も売っている。
この日は、オープンを記念して、市や茅野商工会議所の関係者、寒天製造者ら約30人を招き、自前でひいた粉を使ったそばや、そば焼酎を振る舞った。小平さんは「茅野産のそばのおいしさを、広く知ってもらう場所にしていきたい」とあいさつした。
市内では、地元産のそば粉で打ったそばを味わえる店が少ないといい、小平さんは「茅野のそばを有名にしたい」と、店を設ける構想を温めていた。