中川村大草の飲食店「いろりなかがわ亭」が8日、赤ソバの粉を使ったざるそばをメニューに加え、提供を始めた。住民有志でつくる実行委員会が昨年秋、村内で開いた「赤そば花まつり」の際に提供したところ好評だったため、実行委員長で同店を営む富永朝和さん(70)が村おこしのために準備してきた。富永さんは「満足できるそばに仕上がった」と話している。
そば粉は、赤ソバ「高嶺ルビー」を信大農学部と共同開発したタカノ(宮田村)がまつりの会場で収穫した実をひいたものを仕入れている。愛知県のそば店で約3カ月間修業してきた従業員が、そば粉8割、小麦粉のつなぎ2割の「二八そば」に仕上げている。そばつゆははちみつ入りのオリジナル。静岡県のそばつゆ製造業者の指導を受け、村内のそば好きに試食を重ねてもらったという。
店内は、そばを打っている様子が見えるように改装。店の周りには赤ソバを植えた。改装費などで200万円ほどかかったという。
8日の昼食時は、赤ソバのざるそばの注文は10食ほどにとどまったが、「週末に向けて問い合わせも来ている」と富永さん。「取り組むうちに夢も膨らむ。いずれは村内の遊休農地で赤ソバを栽培してもらい、実を農家から買い取ることができれば」と話している。
赤ソバのざるそばは1食900円。第2、第4水曜定休。問い合わせは同店(電話0265・88・6303)へ。