安曇野市出身のフリーライター高橋克典さん(54)=東京都荒川区=がこのほど、「信州 蕎麦と温泉めぐり」を幹書房(さいたま市)から出版した。県内のそば店と、近くにあるおすすめの温泉それぞれ51カ所を紹介。「ふるさとの打ち手の人情を伝えたい」と、味や調理法に加え、店主らの思いやこだわりもつづっている。
写真は、同郷の写真家鈴木博さん(51)=安曇野市穂高=に依頼した。「グルメ系の取材は初めて」という高橋さんに、小中学校の同級生で現在も親交があるという4人も同行。車で道案内をしたり、一緒に味わったりと取材に協力した。今年8月まで約1年間、県内の200店を食べ歩いた。
1店につき、写真と紹介文でそれぞれ1ページずつを割いた。冒頭に登場する松本市内のそば店では、「打つところは他人に見せられない」と撮影を断られた。「単なるガイド本とは違う。そばを通して打ち手の生き方を書きたかった」と高橋さん。調理方法より、店主との軽妙なやりとりや、地方独自の食文化について多く記している。
A5判、151ページ。1500円。県内の主要書店で取り扱っている。問い合わせは幹書房(電話048・866・3231)へ。