街の銭湯、ブックカフェが継承 松本「栞日」危機救う

2020/10/16 11:05
ODEK2020101601414501.jpg

 松本市のブックカフェ「栞日(しおりび)」が、通りの向いにある銭湯「菊の湯」の経営を引き継ぎ、15日新装開業した。銭湯のある街の風景を残したい―。そう願う栞日代表の菊地徹さん(34)は住民の生活の一部となっている銭湯を守りつつ、さまざまな仕掛けで新たな客層を開拓する考えだ。

 開店とともに次々と入浴客が訪れ、菊地さんは「ごゆっくり」と迎えた。銭湯を菊地さんに託した3代目の宮坂賢吾さん(55)も共に客を迎え「廃業を考えていただけにうれしい」と話した。

 約100年続く菊の湯は元材木店。職人のために廃材を使って風呂をたいたのが始まりという。浴場の壁には菊の花が描かれ、地下水を使った湯が好評だ。松本駅に近く登山客にも親しまれた。

 近年は利用者が減少。宮坂さんが廃業を考えて今年5月に菊地さんに相談。菊地さんは栞日から菊の湯に通う住民らを眺め「和やかでいいな」と感じていたといい、継承を決意。9月末にいったん休業し2週間かけて改装した。

 再出発した菊の湯の理念は「街と森を結ぶ湯屋」。環境と健康に配慮した仕掛けを打ち出す考えだ。看板や浴槽はほぼ改装前のままだが、フロントの床は廃校になった学校の木材を使用し、入浴剤を使っていた薬湯には地域で採れたハーブなどを入れる。

写真説明:「菊の湯」の経営を引き継ぎ、番台に立つ菊地さん

北陸と信州・長野、新潟の観光情報が満載! 北陸・信越観光ナビ