有明美術館が11月末閉館 安曇野で38年の歴史刻む

2019/11/08 10:23
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 安曇野市の有明美術館(安曇野市穂高有明)が入館者減少や後継者不在を理由に11月末に閉館する。38年の歴史に幕を閉じることを決めた館長の松村英(えい)さん(89)は「小さくても庶民の喜びや怒り、悲しみを共有し、語らえる場として存在できるように努めてきた。多くの人に愛されてやってこられた」としている。

 同館は兵庫県西宮市出身の松村さんが安曇野の自然にひかれ、1981(昭和56)年9月に開設。安曇野で最も古い民間美術館の一つだ。被爆の惨状を圧倒的な迫力で表現した「原爆の図」を描いた画家夫婦丸木位里(いり)さん・俊(とし)さんらの作品を展示してきた。

 松村さんによると、90年代のピーク時には年間1万人の来場があったが、近年は減少傾向。「美術館も大型化する流れの中で、小規模な美術館は存在しづらくなっている」と話す。

 閉館までの間、設計者の建築家降幡広信さん(90)=安曇野市=が手掛けた古民家などをモノクロ写真で紹介している。降幡さんは「有明美術館は地域にとっても大きな財産。活用の道を探ってほしい」と話している。

 松村さんは「所有する作品に対する責任感もある。良い後継者が見つかればいいと思う」としている。

写真説明:11月末で閉館する有明美術館の館内で談笑する館長の松村さん(右)と降幡さん

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