駒ケ根に「加島文庫」 市立図書館が開設へ

2019/02/14 11:04
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 駒ケ根市立図書館は、英米文学者、詩人でタオイズム(老荘思想)の研究でも知られ、2015年に92歳で亡くなるまで25年ほど同市で暮らした加島祥造さんの蔵書などを収めた「加島文庫」を開設する。生前に寄贈を受け、整理を進めてきた。英米文学の古い原書や漢詩の拓本、メモや墨彩画など数千点があり、20日に記念式典を開く。

 加島さんは東京都出身で、早稲田大英文科を卒業。信州大などで英米文学を教え、米国のウィリアム・フォークナーなどの翻訳を手掛けた。駒ケ根市に移住後は老子研究や墨彩画の創作に取り組み、詩集「求めない」などがベストセラーになった。

 同図書館とは講演会で招かれるなど交流があり、加島さんが10年に蔵書寄贈を申し出た。翌年に一部を寄贈。図書館は亡くなった後に残りの蔵書の整理も進めていた。図書館2階の一室を確保し、入り口には本人が「加島文庫」と書いた木製看板を設置した。

 英米文学の書籍が主で、貴重なサイン本もある。春夏秋冬の里山を描いた墨彩画に詩を添えた習作は、線を引いて言葉を直すなど推敲(すいこう)の跡が見える。

 家を行き来するなど交流があった同館の小川清美館長(71)は「誰でも受け入れる気さくで人間らしい人だった。幅広い資料を寄贈してくれた」と感謝。市内に住む加島さんの長男の加嶋裕吾さん(63)は「知識がコンピューターの中にある時代だが、多くの本を手にして作られた一つの考え方があることを知ってもらう機会になればうれしい」と話している。

写真説明:エドガー・アラン・ポーの詩集(手前)などが並ぶ「加島文庫」の書棚

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