反戦絵本、上田で展示 長和出身の松山文雄さん作品

2019/01/11 11:01
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 戦前、日本の軍国主義強化を痛烈に風刺した長和町出身の画家・松山文雄さん(1902〜82年)の作品展が11日、上田市中央3の平林堂書店で始まる。昨年復刻された絵本冊子「ハンセンヱホン 誰のために」の絵と文を引き伸ばしたパネル31点を県内で初めて展示。平林堂の平林幹夫社長(63)は「権力を鋭く批評した風刺画や地元出身の松山さんの人となりを感じてほしい」と呼び掛けている。

 長和町大門(旧大門村)に生まれた松山さんは、画家の竹久夢二に憧れて絵を独学。23歳で上京、童画家として生計を立て、後にプロレタリア(労働者)芸術の道に進んだ。31(昭和6)年に日本プロレタリア美術家同盟出版部から「ハンセンヱホン 誰のために」を出した。

 内容は書名通りの「反戦絵本」。無残に白骨化した死体が転がる「戦場」の絵で始まる。日露戦争(1904〜05年)や第1次世界大戦(14〜18年)後の情勢を踏まえ、戦死者と遺族の苦しみを伝え、資本家が市場獲得のために戦争を準備する過程に漫画と文で警鐘を鳴らしている。

 発行の10日後の31年9月18日には満州事変の発端となった柳条湖事件が起きるなど軍国主義が強まり、間もなく発禁処分になった。同年11月、日本共産党に入党し、32年には検挙、投獄された。戦後は同党機関紙「赤旗」に政治漫画を連載した。

 風刺画研究者や松山さんの遺族らでつくる「まつやまふみお研究会」が復刊。同会は昨年秋、都内で今回と同じ展示を行い、2カ所目の展示を平林堂に打診。平林堂は過去に2度、松山さんの展示を企画したこともあり、開催を受け入れた。展示は店内のギャラリーで31日まで。無料。問い合わせは平林堂(電話0268・22・1561)へ。

写真説明:作品展の会場で、復刻された「ハンセンヱホン 誰のために」を手にする平林社長

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