がんでも前向き「どや顔」で 1月に長野で音楽フェス

2018/12/17 09:35
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 がん患者で両親が県内出身の松崎匡(ただし)さん(49)=東京都八王子市=が来年1月、長野市で音楽イベント「ドヤフェス」を開く。「がんでも『どや顔』(得意げな顔)で好きなことをやろう」と、2年前から都内で続ける催しの初の地方開催。自身の10回に及ぶがん再発の経験を踏まえ、がん患者には前向きなパワーを、そうでない人にはちょっとした病気の啓発を―と準備している。

 「健診は早めに」「仕事やめんなよ」―。プロも出演し、ロック色が強いドヤフェスでは、曲の合間に司会の松崎さんが闘病経験を語る。純粋にライブを楽しむ空間が目標だが、「患者と健康な人が友達になったり、がんに関心を持つ入り口になったりすればいい」。フェスはこれまで6回開き、延べ600人が来場。がん患者とそうでない人が「半々の割合」で訪れているという。

 フェスを始めたのは、病室で1年の半分を過ごしていた2016年。ロック歌手の故忌野清志郎さんが生前、喉頭がんに伴う療養を経て08年に東京・日本武道館で熱唱した「完全復活祭」の映像を見たのがきっかけだった。高校の先輩でもある忌野さんは、がん闘病と音楽を両立した。「おれも一歩踏み出す勇気を持ちたい」

 09年に肝臓がんが見つかった松崎さんは当時、講師を務めていた福祉専門学校を「迷惑になる」と退職。12年には「余命半年」の宣告を受けた。治療と再発を繰り返し、これまでに大きな手術は2回、入院は36回に上る。「死」を意識してふさぎがちだった松崎さんに、忌野さんの姿はまぶしく映った。

 入院の合間に、かつて忌野さんとバンドを組んだ経験もあるギタリスト山川のりをさんらプロに、ライブへの出演を直談判。16年11月、フェス開催にこぎ着けた。

 回を重ね、地方開催を考えたのは、九州のがん患者の男性と交流する中で「周囲に病気のことを話せないがん患者は地方にも多い」と感じたためだ。九州での開催前に男性は亡くなったが、次に浮かんだのが両親の出身地、信州だった。

 長野公演では、山川さんがパンダの着ぐるみに入って演奏する「ギターパンダ」として出演するほか、県内バンドなど7組前後が演奏する。松崎さんは「2人に1人はがんになる時代。説教じみた話はしないので、『これからがんになる人』にもライブを楽しんでほしい」と話している。

 公演は1月11日午後4時半から、長野市北石堂町のINDIAlivetheSKYで。2500円(1ドリンク込み)。問い合わせは松崎さん(matchaki@hotmail.co.jp)へ。

写真説明:来年1月の長野公演に向け、意気込みを語る松崎さん

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