伊那市創造館で開催中の企画展「飯田線マニアックス」に9日、国鉄OBや鉄道愛好者らから資料提供が相次いだ。同館は、持ち込まれた古い切符や行き先表示板などを展示に追加。「多くの人に参加してもらい、内容を“進化”させたい」と歓迎している。
8日始まった企画展は、現在のJR飯田線伊那市駅まで鉄道が延びて100年を迎えた記念事業の一つ。愛好者らの協力で、明治期以降の鉄道延伸を示すパネル、国鉄時代に使われた改札用はさみや運転手向け時刻表などを並べた。
9日は、伊那市沢渡の北原幸洋さん(87)が、1947(昭和22)〜82年の国鉄在職時にまとめた飯田線沿線の写真などのアルバムと、席の等級によって色が違う硬券の切符などの見本帳を持参。「鉄道が輸送機関の花形だった」と懐かしんだ。切符は早速、改札用はさみの横に飾られた。
会場には線路などの模型があり、8日は飯田線を昨年引退した「119系」を走らせたが、9日は現在の「213系」が持ち込まれた。鉄道写真などが趣味の伊那市中央の畑敏和さん(61)は、かつて飯田線を通った急行「伊那」の表示板を提供。「好きな人が持っている物で展示を盛り上げていけるといい」と話した。
3月31日まで。火曜と祝日の翌日休館。高校生以上200円、小中学生100円。