洋画家・正宗得三郎の魅力発信 飯田で企画展や講演会

2012/11/06 10:30
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 戦時中の1945(昭和20)年に飯田市伊豆木(旧三穂村)に疎開し、48年まで過ごした洋画家、正宗得三郎(とくさぶろう)(1883〜1962年)の没後50年を記念した企画展「疎開の地・伊那谷へのまなざし」が、市美術博物館で開かれている。疎開先に近い同市立石のギャラリー「南無(なむ)」では9〜11日、正宗の作品を集めた特別展を開く。市内の2会場で作品を紹介することで、中山間部に位置する同市伊豆木の風景や住民たちに思いを寄せた正宗の魅力を発信する。

 正宗は岡山県出身。東京美術学校(現東京芸術大)で洋画を学び、卒業後は2度にわたりフランスに留学し、印象派の影響を受けた。都内のアトリエが空襲で焼けてしまい、飯田市伊豆木の旧家に疎開。ここで多くの風景画などを描いた。

 市美術博物館の企画展では、遺族から寄贈された油絵を中心に風景画や静物画など計43点を並べた。作品「雨後」は、雨上がりに虹が現れた伊豆木の風景をしっとりしたと質感で表現。南アルプスを背景に煙を上げる炭焼き小屋を描いた作品や、真っ赤なアマリリスの花を描いた作品も印象的だ。

 同館学芸員の小島淳さん(43)は「三穂で描いた作品は自然の深いところを見つめたこまやかな作品が多い。この土地への愛着を感じる」と話す。

 同館は24日午後1時半から、企画展に合わせて府中市美術館(東京都府中市)の元館長、村山鎮雄さんの講演会「正宗得三郎の生涯」を開く。25日午後3時からは小島さんが展示室を案内するギャラリートークがある。

 ギャラリー南無では、オーナー伊東照男さん(65)が収集した正宗の油絵25点、水彩画23点を展示する。夕焼けを描いた風景画や、ツツジやツバキなどを描いた作品を見ることができる。伊東さんは市美術博物館の企画展にも作品を貸し出しており、「三穂にすごい絵描きが疎開していたことを知ってほしい」と話している。

 市美術博物館(電話0265・22・8118)の企画展は12月24日までの午前9時半〜午後5時。月曜休館。観覧料は一般310円、高校生200円、小中学生100円。講演会は無料、ギャラリートークは観覧料が必要。南無(電話090・2646・5225)の特別展は午前9時〜午後4時。無料。

写真説明:飯田市美術博物館の企画展の会場に並んだ正宗得三郎の作品。疎開先の同市伊豆木の風景を描いた

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