大町市の木崎湖が舞台のアニメ「おねがい☆ティーチャー」放送から10周年を迎え、県内外のファンや地元観光関係者らでつくる実行委員会が9月末まで展開する記念イベントが1日、作品中に登場する場所を巡るバスの運行で始まった。大町はアニメの舞台を訪ねる「聖地巡礼」の先駆けともなった地で、実行委は「地域づくりのモデルの一つに」と意気込む。
「おねがい―」は男子高校生が主人公の恋物語で、2002年に衛星放送で放映。03年にも続編の「おねがい☆ツインズ」があり、湖周辺の風景や商店、JR駅などが詳細に描かれた。放送後、全国からファンが訪れるようになり、地元側も原画展や関連イベントなどを開き、交流を重ねてきた。
ことし2月、20〜30代を中心に約20人で実行委が発足。巡礼バスのほか、8月19日に井出安軌(やすのり)監督(松本市出身)とヒロイン役の声優井上喜久子さんのトークショー、関連グッズ販売などを予定している。この日、湖畔の温泉施設「ゆ〜ぷる木崎湖」で開いたバス出発式には県内外の約40人が集まり、テープカットの後、笑顔で巡礼に向かった。
兵庫県加古川市の池田直樹さん(36)は「毎月のように通ううちに知り合った地元の方との交流が楽しい」。実行委事務局の辻川波也斗(はやと)さん(36)=安曇野市=は「アニメを通じて大町を好きになったという人が増えている。今後も交流の輪を広げていきたい」と意欲を見せている。
巡礼バスは予約制で、9月30日までの土日・祝日と8月13〜15日に1日3便運行。JR信濃大町駅から、JR海ノ口駅や海ノ口上諏訪神社など4カ所を巡る。問い合わせは実行委事務局(電話0261・23・3939)へ。
写真説明:キャラクターが描かれた「聖地巡礼バス」出発式で、テープカットに臨むファンや地元関係者ら