下条歌舞伎、新たな一歩を 保存会が2月に今年初舞台

2012/01/24 10:31
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 下条村に約300年前から伝わる「下条歌舞伎」(村無形民俗文化財)を伝承する下条歌舞伎保存会は、伊那市の県伊那文化会館で来月12日に開かれる「第6回信州農村歌舞伎祭」でことしの初舞台に臨む。担い手不足に直面しながらも昨年、発足40周年を迎えた。会員約20人は新たな一歩を刻む年にしようと週2回の練習に励んでいる。

 今回の演目は大坂夏の陣を題材にした「鎌倉三代記絹川閑居(きぬがわかんきょ)の場」。同歌舞伎祭で披露するのは初めてだ。演目に選んだ理由は、物語の最後で登場人物の佐々木高綱が語る「竜は時を得て天地にわだかまり、時を失えば、宮守(いもり)、蚯蚓(みみず)と身を潜む」のせりふにある。苦しい時を耐えて好機をうかがう―との意味。

 担い手不足に悩みながらも、村内の小中学校に歌舞伎のクラブをつくって後継者育成に努めるなど、地道な活動を続けてきた自分たちの姿を重ね合わせた。これからも伝統芸能を守り続けていく意思を込めたという。

 村民センターでの19日夜の練習には会員10人が集まった。保存会長の小池恒久さん(79)=下条村睦沢=が、演技を何度も止めながら細かな動作を指導した。

 本番では10〜70代の男女7人が舞台に立つ。夫から実の父を殺すよう言われ、苦悩する時姫を演じる中島あつみさん(24)=同=は「時姫の気品を表現するための繊細な動きが難しいが、女性の恋心を伝えていきたい」と意気込む。

 小池さんは「会員たちは伝統芸能を守るという強い思いを持っている。ことし初の舞台でそんな気持ちを伝えたい」と話す。

 歌舞伎祭は午前11時に始まる。下条歌舞伎の舞台は午後1時半から。伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会や大鹿村の大鹿こども歌舞伎も出演する。学生・一般千円、高校生以下無料。問い合わせは同文化会館(電話0265・73・8822)へ。

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