藤森栄一さんの生涯たどる 生誕100年、諏訪で企画展

2011/12/01 10:24
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 諏訪市博物館(中洲)は、諏訪地方の遺跡発掘と考古学研究に大きな足跡を残した同市出身の藤森栄一さん(1911〜73年)の生誕100年を記念する企画展「考古学者藤森栄一」を始めた。死去から40年近くたち、「認知度が薄れてきている」として、生い立ちから研究成果までをたどりながら「在野の考古学者」の生涯を振り返る内容。直筆原稿など約200点の遺品を展示するとともに書斎も再現し、功績と人柄を親しみやすく伝えている。

 藤森さんは、縄文時代は狩猟・採集生活だったという定説に疑問を投げ掛ける「縄文農耕論」を提唱して学会に論争を巻き起こした。一方で諏訪考古学研究所を設立し、多くの研究者を育成。執筆活動にも力を入れ、随想「かもしかみち」をはじめ、小説を含む32冊の著作と700編近い論文を残した。著作のファンも全国的に多いという。

 展示は、少年時代から、考古学の師・森本六爾との出会い、結婚、出征、高血圧症と闘った晩年に至るまでの生涯を紹介。少年時代に集めた矢尻、知人に宛てた手紙、富士見町の井戸尻遺跡で発掘した土器などを並べた。

 家業の書店を継がず考古学を続ける自分に悩んでいた20代の頃の日記もある。思うように研究に打ち込めない状況を「考古学よ、時に駄目だ」と記し、師を亡くした後には「僕は可能性にこそ生涯を捧(ささ)げようと願う」と決意を示している。

 写真を基に再現した書斎には、愛用の座卓、座椅子、辞書、テープレコーダーなどを置いた。霧ケ峰のスキー大会の優勝カップや滑走の写真でスキー愛好家の一面もうかがわせる。担当学芸員は「戦争から生還し、病と闘いながら活動した姿は学者としてだけでなく、人間的な魅力にもあふれている」と話している。

 来年2月12日まで。関連の催しとして、12月17日午前10時から、同館学習室で諏訪地方の考古学研究者らが藤森の活動に関して研究発表をする。1月15日、2月4日には学芸員が展示解説をする。月曜休館。年末年始は12月24、26、29〜31日、1月10日が休館。問い合わせは同館(電話0266・52・7080)へ。

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