設計者・村野藤吾知って 原の八ケ岳美術館で特別展

2011/06/11 10:55
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 原村の八ケ岳美術館は11日、特別企画展「村野藤吾(とうご)の世界」展を始める。同館が昨年度、日本建築家協会(JIA・東京)が築25年以上の優れた建築に贈る「25年賞」を受賞した記念で、設計者で文化勲章受章者の村野藤吾(1891〜1984年)の構想段階のスケッチや設計図、内装のカーテン設置の写真などを展示。建築作品としての同館の姿を紹介する。

 同館は同村出身の画家、清水多嘉示(たかし)(1897〜1981年)が村に寄贈した作品を展示するため、1979(昭和54)年に建てられた。鉄筋コンクリート造り平屋約1200平方メートルで、八ケ岳の山並みをイメージしたとされる屋根は白いドームが連なる。内部はひだを作った「絞りつり」の白いレースのカーテンがつるされ、最長で40メートル余の細長い展示空間が広がる。

 村野に関する資料を集め、研究している京都工芸繊維大から、同館の100分の1の平面図と立面図など9枚を借りて展示。小さい字で寸法や材質が書き込まれている。

 内装を手掛けた諏訪市の内装業保科功さんが撮ったカーテン設置の写真も初公開。さまざまなつるし方を試したといい、写真には「試作5回目 張り具合の修正」「村野先生より『OK』を頂く。『全てこの通りに』との指示を頂く」など、当時の試行錯誤をうかがわせるメモが記されている。

 同館は村野が87〜88歳の円熟期の作品で、豊かな表現や合理的な建築手法が詰まっている。小泉悦夫館長(60)は「全国的な賞の受賞で、これまで以上に建物自体の価値や芸術性が認識されるようになった。村野の設計思想に触れてほしい」と話している。

 9月30日まで。会期中無休。11日午後1時半から、25年賞受賞報告会と、審査委員を務めた日大理工学部の大川三雄教授の講演がある。問い合わせは同館(電話0266・74・2701)へ。

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