一茶直筆の掛け軸公開へ 信濃町の記念館で企画展

2011/04/16 10:29
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 上水内郡信濃町出身の江戸時代の俳人、小林一茶(1763~1827年)が書いた俳諧歌の掛け軸が、同町の一茶記念館で22日に始まる企画展で初公開される。一茶が晩年に現在の上高井郡小布施町を訪れた際に詠み、書いたとみられる。同館は「一茶直筆の貴重な資料」としている。

 俳諧歌は「なにはがたよしもつひにはあしもとのあかるいうちに雁(かり)やいぬらん」。縦57センチ、横94センチの本紙部分に書かれ、自画像も添えてある。ヨシが生い茂る難波潟(大阪の海岸)をすみかにしていた鳥のガンが、春になって足元の明るいうちに帰って行く情景を思い浮かべて詠んだという。

 同館の中村敦子学芸員によると、一茶の句日記「文政句帖」には「難波江(なにわえ)のよしのあげくはあしもとの明(あかる)いうちと雁のいぬらん」が残る。1822(文政5)年に一茶が小布施の村松柳堤を訪ねた記録があり、中村学芸員は「村松家で俳諧歌が書かれ、日記にまとめる際に改案したと考えるのが自然ではないか」と説明。村松柳堤は、「一茶翁終焉(しゅうえん)記」をまとめた一茶の門人、西原文虎と親戚関係という。

 掛け軸の俳諧歌の署名は「俳諧寺入道前の弥太郎一茶」。中村学芸員は「本名の弥太郎を書いた作品は珍しく、興味深い」と話している。

 この俳諧歌は、一茶を研究している矢羽勝幸・元二松学舎大教授(上田市)が編さんした「信州の俳画」(1987年、郷土出版社)で紹介されている。記念館が企画展のために、小布施町内の個人から掛け軸を借り受けた。

 企画展は6月26日まで。問い合わせは一茶記念館(電話026・255・3741)へ。

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