2013(平成25)年11月16日付 朝刊「信毎こども新聞」より


◆◇◆ 大好き!カナヘビさん ◆◇◆

 ニホンカナヘビを昨年4月からクラスで飼ってきた飯山市立東小学校の5年生たち。今月1日、最後まで飼っていた3匹を自然に帰して別れを告げました。この1年半あまりの間に、カナヘビたちは学級内の「小屋」で卵を産み、赤ちゃんが生まれたりもしました。いっしょに暮らして楽しかったこと、感じたことを、クラスの子どもたちが伝えます。

-------しっぽは切れても動く! 吉越 千花 さん-------

 私たちは4年生のときからカナヘビを飼ってきました。きっかけは、私がカナヘビをクラスで飼いたいと言いだしたからです。いろいろなところで見つけて「飼ってみるのもいいかもしれない」と思い、家の庭で見つけたカナヘビを学校に持っていきました。そして、クラスで飼えることになってうれしかったです。
 カナヘビにはいくつか特ちょうがあります。一つ目はしっぽです。カナヘビは危険を感じるとしっぽを切って逃げます。でも、しっぽは切れても、少しの間だけ、動いています。二つ目はおなかです。カナヘビはみんな同じように見えるけど、それぞれおなかの色がちがいます。黄色、真っ黄色、白などたくさんの色があります。
 目は小さくてクリクリしています。カナヘビを見ていると時々目が合って、こちらを向いてくれます。そういうカナヘビたちが大好きです。


-------卵から赤ちゃん、40日でふ化 宮沢 あさひ さん-------

 昨年とことしの6月、カナヘビが卵を産んで、みんなでふ化するようにがんばりました。卵の大きさは小指のつめくらいです。そのまま小屋に入れておくと、大人のカナヘビたちがふんでしまうので、土を入れた別の入れ物に移しました。卵はやわらかいので、スプーンですくったときに落とさないか、赤ちゃんは大丈夫かな、と心配でした。
 移した卵の世話もしました。卵を置いた土に毎日きりふきをしたり、生まれていたら大変なので様子をよく見たりしました。40日くらいすると、卵のからを赤ちゃんが自分の力で割って出てきて、すぐにちょろちょろ動きだしました。かわいいカナヘビが生まれて、苦労したかいがあったなと思いました。
 カナヘビとはお別れしましたが、一番心に残っているのは、やっぱり生き物を大切に、愛情をこめて育てることです。それを教えてくれたカナヘビさんに、ありがとう!


-------困ったときには話し合う 藤沢 稔 くん-------

 ぼくたちはカナヘビのことを話し合う「カナヘビ会議」を開いてきました。会議をつくったわけは、日ごろから感じる困ったことをみんなの意見を出し合って解決するためです。
 例えば、ほかのクラスの人がカナヘビを持つときに、しっぽを持ったり、息をするところを持ったりしていたので、してはいけない持ち方を小屋の近くのかべに張り出すことにして、みんなが正しい持ち方をしてくれるようになりました。
 ほかにも、バッタやクモといったえさをクラスのみんなで手分けして取ってくることや、カナヘビを冬眠させるかどうかも話し合って決めました。
 今までカナヘビ会議をして、クラスみんなの考えを大切にすることができるようになったと思います。これからも困ったことがあったときにはクラスで話し合って、人の考え方を大切にすることをいっぱいやっていきたいです。


-------自然の中で楽しく元気に 藤田 航大 くん-------

 4年生のときからカナヘビを飼ってきて、1日にお別れをしました。カナヘビと暮らして感じたのは、小さい生き物はよく助けてあげる人がいないとだめだということです。
 昨年はカナヘビを学校の中で冬眠させました。図かんやインターネットで冬眠にはどんなものが必要かを調べて、みんなで小屋に土をたくさん入れたり、温度が下がりすぎないように落ち葉を入れたり、小屋には段ボールもかぶせて、段ボールと小屋の間に保温のためのわらをつめたりもしました。
 春になって土から出てくるカナヘビもいましたが、目が覚めないカナヘビもいました。それを見て、ぼくは悲しい気持ちになりました。カナヘビは自然の中でたくさん遊んで、いろんなところに行って、楽しく生きるのがいいと思います。ぼくたちがいなくても、天敵に食べられず、元気でいてほしいです。

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