信濃毎日新聞ニュース特集「信濃グランセローズ」
信濃、投打でレベルアップ BCリーグ全日程終了
2020/10/29 11:13

 ルートインBCリーグの信濃グランセローズは、27日のリーグチャンピオンシップ(CS)決勝で神奈川に0―1で惜敗し、3年ぶり2度目のリーグ優勝はならなかった。新型コロナウイルスの影響で開幕が約2カ月遅れ、感染リスクを抑えるために対戦相手が偏ったり、2時間45分の時間制限が設けられたりと異例の形式で実施したシーズン。リーグCSで栃木に敗れた昨季に続き、頂点にはあと一歩届かなかったが、就任2年目の柳沢監督の下で確実にレベルアップしていた。

 柳沢監督が昨季から掲げ続けてきた「バッテリー中心の守り勝つ野球」が成熟度を増した。2年目の佐渡、1年目のクインティンがそれぞれ8勝をマーク。名取、高井(ともに東海大三高出)、佐々木の救援陣も力を発揮した。

 九回までできた試合が少なかったため単純比較はできないものの、失策数は昨季の1試合平均1・11からリーグ2位の同0・63に改善された。相手に付け込む隙を安易には与えないチームへと成長した。

 守りでつくった良いリズムを攻撃につなげた。2割8分8厘のチーム打率はリーグ4位ながら、八回に4点差を追い付いて延長サヨナラ勝ちしたリーグCS準決勝など、今季の信濃は劣勢をはね返す力強さを見せた。8月には球団記録を更新する12連勝(1分け挟む)を達成。昨季は3人しかいなかった打率3割超(規定打席到達者)の打者も5人に増えた。

 4年目の田島が出塁率4割5分2厘で1番打者の役目を果たし、佐野、ウレーニャ、赤羽のクリーンアップが走者をかえす形が確立。岩田ら下位打者が好機をつくり、得点につなげるパターンも多かった。

 松本市出身で20歳の赤羽(ウェルネス筑北高出)と、25歳の松井が育成ドラフトでヤクルトから指名されたことも意義深い。野球を通じた地域活性化とNPB(セ、パ12球団)で活躍できる選手を育てることはリーグの大きな目的の一つ。目の前の試合に勝つことに全力を尽くしつつ、選手育成にも力を入れてきた首脳陣の指導力によるところが大きい。

 27日のCS決勝では、NPB経験がある左腕に2安打完封された。悔しさを味わった選手たちが敗戦をどう受け止め、頂点にたどり着くために何を突き詰めていくか。新たな課題と向き合いながら成長を続けてほしい。

写真説明:リーグチャンピオンシップ決勝で敗れ、健闘をたたえ合いながら握手する信濃グランセローズの柳沢監督や選手ら=27日、神奈川県平塚市

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