伊那市は１１日、同市高遠町の高遠城址（じょうし）公園で４月に開いたさくら祭りの期間中の入園者総数が、昨年より８万人余少ない１６万５２０１人だったと発表した。２０万人を割ったのは、１９８９年以来２２年ぶり。市観光課は「東日本大震災後、自粛ムードが高まったことが原因」とみている。

　同課によると、有料入園者数は１５万２８５０人。このうち団体客は４万４４６８人と昨年の約半分だった。近隣のドライブインや弁当店への聞き取りから、群馬県など関東方面からのバスツアーが約７割減、中京・関西方面からは約３割減と推測できるという。一方、個人客は約２割減にとどまり、１０万８３８２人だった。身分証を提示して無料で入園した市民は昨年の約６割の１万２３５１人。

　開花は４月１３日で昨年より８日遅く、同課は「祭り後半に訪れる入園者が多かった」とし、「震災被災地からも来てもらった。花を見て気分を和ませてもらえたのではないか」とした。東日本大震災と県北部地震の被災地に送るため、期間中に公園の各ゲートなどで集めた義援金は約２８万円になった。