伊那市西春近の伊那食品工業が運営する「かんてんぱぱガーデン」で、山野草園のカタクリが見頃となった。赤紫色の花が園の一角を埋め尽くすかのようだ。

　カタクリが咲き始めたのは今月１日。春先の低温傾向のため、昨年より半月近く遅い。すらりとした花びらが、地面から１５センチほどの高さで風に揺れる。写真愛好家が数多く訪れ、「花と同じ目線で見てみたい」と寝転がって撮影している。

　近くでは白や薄紫色のショウジョウバカマの花も盛り。淡いピンクのイワウチワや薄緑色のコバイモ、水辺ではミズバショウやワサビの花も咲き始めた。イカリソウやクロユリ、クマガイソウなど多くの山野草が控えていて、花々を愛でる楽しみは続く。

　静岡県牧之原市から家族で訪れた中山雅子さん（３５）は「高遠の桜は少し早かったけれど、ここでかれんな山野草のお花見を楽しめました」と満足げだった。