諏訪で今年一番の暖かさとなった12日、下諏訪町や諏訪市でコヒガンザクラの開花が進んだ。
下諏訪町内で最も早く咲くコヒガンザクラといわれる町役場前の木は、一部の枝でたくさんの薄いピンク色の花が開き、通りがかる人が「春らしくなってきたね」と話しながら見上げていた。
このコヒガンザクラは10年生ほどで、高さ約3メートル。10日ごろから花がほころび始めた。脇にある電話ボックスで風がさえぎられている枝で開花が進んでいる。町耕地林務係の職員によると、昨年は木が枯れ気味で花芽をほとんど付けなかったが、今年は、樹勢が弱っているため子孫を残そうと、早めに多くの花を咲かせている可能性があるという。
諏訪市小和田の田宿児童遊園地にある高さ4メートルほどのコヒガンザクラも12日、3分咲きとなった。人通りの少ない田宿小路に降りかかるように突き出した枝に、膨らんだつぼみの間に花が目立つようになった。
近くには温泉の共同浴場があり、「地熱が高いため、ほかより咲くのが早いんです」と近所の男性。散歩中のおばあさんたちは「満開になるとすぐ散っちゃうから、今が一番いいね」と眺めていた。
長野地方気象台によると12日の諏訪の最高気温は平年より4・6度高い19・6度と5月上旬並み。ソメイヨシノの開花は15、6日ごろになりそうだという。