「きんぷさん」または「きんぽうさん」とよばれ、南佐久郡川上村と甲府市の境にある。
したがって「信州百名山」にして「山梨百名山」、さらに「日本百名山」のひとつに数えられている名峰である。名峰たるゆえんは、堂々たる山容にして高山帯に属し、どこからでもそれと分かる頂上のシンボル五丈岩を聳立させていることか。高さこそ山群の最高峰北奥千丈岳にわずか譲るが、山の貫禄からすれば、奥秩父山群の盟主として君臨しているといってよい。
古くは都人の『千曲真砂』中、風雅集の順徳院の御歌で千曲川の源の山として称賛され、のち著名な登山家の木暮理太郎は著書『山の憶ひ出』の中で、金峰山こそ山の中の山であると絶賛している。さらに深田久弥は『日本百名山』の中で、頂上に立ったときの四周の眺めに狂喜したとまで記している。帰路、川上村の川端下方面へ下るが、道もよく分からず、ついには日没となって野しゃがみ(いまでいうビバークのこと)≠ナ一夜を過ごさざるを得なかったとある。久弥にとって思い出深い山であったにちがいない。
ともあれ、信州と甲州の両側からみても奥秩父山群の奥にあって秘峰感さえ漂うが、金峰党≠ニいうぞっこんの惚れこみようの人たちがいると聞くし、2度、3度、4度と登りたくなる魅力ある山にはちがいない。
川上村川端下の奥、廻り目平キャンプ場のその名も金峰山荘を基点にしてよい。山荘前のゲートから指導標にしたがい西股沢沿いの林道を行き、右に小川山への分岐となり、さらに進んで右手の奇岩脇、さらに大岩壁につき当たる。右へのびる林道をはずれ西股沢の左岸の道へ。しばらくで指導標の建つ広場。左の小沢を渡って再び小沢沿いでカラマツ林の急登ののち最後の水場。ここから右へ針葉樹林帯を登ると尾根にでる。奇岩の目立つ瑞牆山が見えてきて、緩くなった尾根を行くと金峰山小屋。さらに樹林帯をぬけ、ハイマツのある高山帯を進んで頂上。基点の金峰山荘から約3時間半。
ほかに県境尾根で北の小川山ないし西の瑞牆山方面から。東は国師岳、大弛峠、朝日岳経由。甲府市の黒平町、精神川、南尾根経由のコースなどがある。
奥秩父山群全域にいえるが、特にこの山もシャクナゲの群落が見事で、6月から7月にかけての頂上付近のキバナシャクナゲは山群でここだけといわれている。
いうまでもない360度の大展望の頂上で、深田久弥の狂喜もうなづける。
小川山と同じだが、瑞牆山と結んだ場合は山梨県側北杜市須玉の増富ラジウム温泉がある。