信州山小屋ネット~朝日に染まる白銀の山々(大町市の山岳博物館から)

西駒山荘 荷下げ
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西駒山荘
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霧ケ峰
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涸沢
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病身で登山、軌跡を本に 上田の元教諭、完成見届け…
2017/05/23 09:57
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 県内の県立高校教諭を長年務め、4月初旬に78歳で亡くなった上田市真田町本原の故関口悦男さんが、亡くなる直前に、山への思いなどを記した著書2冊を自費出版で残した。腎臓を患い人工透析を受ける合間に山を目指し、道中に感じたことを記した「山酔ひ抄」と、2002年に旧真田町に移り住んでからの出来事などを書いた随筆「山家漫筆(やまがまんぴつ)」。山仲間らは、2冊を読み返しながら、病気と闘いつつ山を思い続けた関口さんの人柄をしのんでいる。

 関口さんは同市出身。上田松尾高校(現上田高校)、国学院大を経て1972(昭和47)年に下伊那農業高校(飯田市)に赴任し、以後、県内の県立高校で国語を教えた。登山は高校生の頃に始め、社会人となってからは主に単独行で全国の山に挑戦した。

 腎臓の病で95年からは週3日、1日約5時間ずつ人工透析を受けるようになったが、3年後には主治医の許可を得て、友人に付き添われて再び山に登るようになった。「山酔ひ抄」では「山で遭(あ)うもの心に響くものすべてが、新鮮で、輝いて見える」と山に登る喜びを表現している。

 少年時代から本好きだったという関口さん。これまでに自身でも名作小説を紹介する著書など15冊を自費出版などで出版してきた。最後となった今回の2冊は、今年3月下旬に病床で完成品を確認。「うれしい」「まだ、頑張れそう」と友人に話したが、その約1週間後に亡くなった。

 「まだ登山をしたかったかもしれないが、本を見て安心して旅立ったはず」と高校時代からの友人で山仲間の金井孝幸さん(78)=上田市。「読み返すと、一緒に見た景色や感動した事柄が思い出される」といい、山好きな人などに読んでほしいとしている。

 どちらもA5判、2千円(税込み)。県内の平安堂6店舗(長野、東和田、上田、上田しおだ野、あづみ野、飯田)で扱っている。問い合わせは最寄りの平安堂店舗へ。

写真説明:最後の著作となった「山酔ひ抄」(左)と「山家漫筆」



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