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「山の手帖2018」
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松本 山岳フォーラム
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浅間山噴火「系統樹」
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登山家・田部井淳子さん死去 県内からも惜しむ声
2016/10/23 09:56
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 女性で初めてエベレストに登頂し、20日に77歳で亡くなった登山家田部井淳子さんは、信州の山も愛した。交流した人たちは22日、朗らかな人柄を思い、別れを惜しんだ。

 駒ケ根市立図書館長の小川清美さん(68)は15年ほど前、当時教員として勤めていた中学校の講演会に田部井さんを招待。山菜好きの田部井さんにネマガリダケを贈り、家族ぐるみで親交を深めた。闘病中の田部井さんと中央アルプス駒ケ岳にも登った。「しびれる足を一歩一歩上げていた。すごい人だと思った」。ありふれた山の緑や花に心を動かす姿も印象に残る。「ざんざん降りなのに、『雨の山もいいよね』と喜んでいた」

 田部井さんは小川さんが自宅で作るカレーが大好きだった。小川さんは食べてもらう機会がなくなり、「残念だなあ」とつぶやいた。

 田部井さんをモデルにした小説「淳子のてっぺん」を本紙に連載中の作家唯川恵さん(61)=北佐久郡軽井沢町=は「9月に喜寿のお祝いでお会いした時は、少し体調を崩されていたけれど、これまでも困難を克服してきた田部井さんだから大丈夫だろうと思っていただけに、残念です」と話す。

 フィクションとノンフィクションを交えて書いた小説を、「面白く、楽しんで読んでいる」と評価してくれたという。「山に登るのはてっぺんの先に見えるものは何だろうという好奇心からだとおっしゃっていたけれど、今、エベレストより高いところに行って何を見ているのでしょう」と言葉を詰まらせた。

 田部井さんが毎年のように訪れていた北アルプス上高地(松本市安曇)の山小屋「徳沢園」。田部井さんは7月、都内であった上條敏昭(としてる)社長(67)の次男の結婚式であいさつした。上條さんは「もっと話をしたかった」と惜しんだ。槍ケ岳山荘を経営する穂苅康治さん(67)は「いよいよ来たかという気持ち。悲しい」と嘆きつつ、山の環境問題に積極的に発言してきた田部井さんの「思いを引き継ぎたい」と話した。

 県山岳協会顧問の宮本義彦さん(72)=長野市=は、中国登山協会幹部が田部井さんを「すごく粘り強い」と評価していたとし、「海外で知名度が抜群だった」。50年以上前に、若手女性登山家向けの講習会で田部井さんを指導した県山協顧問で諏訪市の島田良さん(80)は「世界に羽ばたき実績を残した」としのんだ。

 田部井さんは昨年6月、南佐久郡川上村、山梨県境にある金峰山(2599メートル)開山祭にも出席。金峰山荘を管理する同村振興公社の田村誠さん(56)は「訪れた人たちと親しくされていた」。観光大使を委嘱していた菅谷昭・松本市長は「『岳都』松本を象徴するかけがえのない方を失い悲しみにたえません」とコメントした。

写真説明:祝日「山の日」に合わせ、信濃毎日新聞のインタビューに応じた田部井淳子さん=7月



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