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霧ケ峰
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涸沢
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30代男性、遭難に注意 16年の県内、高水準で推移
2016/10/03 09:50
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 県内で今年発生した山岳遭難で、30代の男性登山者が遭難者になる例が目立っている。従来は50代以上の各年代の遭難者数より少なかったが、今年は同水準で推移。専門家は、難しいルートに無謀な挑戦をしたり、最も体力がある20代からの衰えを自覚していなかったりする場合が少なくない―とみる。独学の登山者も多く、講習会などで学ぶ大切さを意識させる必要性を指摘している。

 県警によると、今年1月から9月19日までの男女含めた遭難者数は241人。男性の年代別では、最多は60代の33人で、30代が32人と続く=グラフ。女性は60代が最多の28人に対し、30代は8人にとどまる。

 昨年までの過去3年間では、30代男性は例年最多の60代男性の3〜4割程度だった。県警山岳遭難救助隊の宮崎茂男隊長は「30代男性の登山者数が増えたというよりは、遭難者の割合が増えたと理解している」とする。

 宮崎隊長によると、ロープの携行が必要な難路に、甘い見込みで挑戦して遭難する例がある。7月に北アルプス西穂高岳近くの天狗(てんぐ)沢で都内の男性(31)が下山中に右足をひねって骨折。8月には南ア鋸岳(のこぎりだけ)の難路を日帰りで挑んだ関東地方の男性(32)が道に迷った。

 県山岳遭難防止アドバイザーの羽根田治さん(54)=埼玉県=は「若さに任せて、本来は十分な技量を身に付けた上で挑む難路に突っ込んでしまうのではないか」と指摘。一方、「若さでカバーできる20代と比べて体力が落ちる人もおり、自覚していない面もあるかもしれない」とする。

 7月には、神奈川県の男性(39)が北ア常念岳で疲労により足を傷めて救助された。北ア焼岳では岐阜県の男性(39)が下山口の手前で転び、右足を捻挫し救助要請した。「体力不足が原因」(宮崎隊長)だったという。

 30代男性の遭難者の多くは登山歴3〜5年ほど。近年の登山ブームで山を登り始めたとみられる。県山岳総合センター(大町市)の杉田浩康所長(62)は「経験の浅い若い男性登山者は、山や自然の危険性に対する認識が薄く、軽いノリで入山する人がいるように感じる」と話す。

 山の怖さや基本的な技量を学ぶ場だった社会人山岳会は近年、人間関係の煩わしさを嫌い、入会する若い世代は少ない。2011年に松本市内の社会人山岳会に入った岡谷市の自営業小口得也さん(39)は山岳会の有用性について、「インターネットで情報を収集できる時代になっても、先輩から得る生の経験談や助言は重さが違う」と話す。

 羽根田さんは遭難防止に向けて、「若い男性登山者に、知識と技術を講習会や山岳会で学ぶ必要性を意識付けしなければならない」と強調している。



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