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「山の手帖2018」
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松本 山岳フォーラム
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浅間山噴火「系統樹」
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ウェストン残した日記出版 「山の日」式典で披露へ
2016/07/29 11:21
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 日本アルプスを世界に広め、日本の近代登山の礎を築いた英国人宣教師ウォルター・ウェストン(1861〜1940年)が約100年前、北アルプス・上高地(松本市安曇)の温泉宿に残した外国人登山者用の日記帳「クライマーズ・ブック」の全訳本が、刊行会から出版された。ウェストンや外国人登山者ら約80人が北アでの体験を書きつづっており、初めての全訳本。8月上旬に県内書店などで発売され、今年から国民の祝日「山の日」となった同月11日、上高地で開かれる記念式典などで関係者に披露される。

 日記帳のタイトルは「KAMIKOCHI ONSENBA CLIMBERS BOOK」(上高地温泉場クライマーズ・ブック)。日本を3回訪れたウェストンが最後に離日する直前の1914(大正3)年8月、宿泊した旅館「上高地温泉場」に置いていった。

 ウェストン自身が冒頭に「急増している上高地の外国人登山者が関心を持つ登山の記録を(中略)残していく何らかの手段の構築が望まれる」と意義を記し、その後は外国人を中心に英語のほかドイツ語、フランス語で約70ページにわたってつづられている。

 特に注目されるのは、大正池が形成された15年の焼岳(やけだけ)噴火に遭遇した米国人男性とみられる登山客の記述。空高く立ち上った噴煙や山麓の火山灰、梓川がせき止められて池が誕生した様子を詳細に書いた。日記は72(昭和47)年まで書き継がれた。

 「先人が育ててきた登山の歴史、文化の一端が記された日記を山の日元年に出版することは、岳都・松本として意義深い」と、松本市、日記帳を所有するアルピコグループ、日本山岳会、同市アルプス観光協会、信濃毎日新聞社などで刊行会をつくり、全訳本の出版を準備してきた。

 A5判、172ページ。英語などの原文と日本語訳が並び、ウェストン研究者として知られる松本市笹賀の三井嘉雄さん(80)、同市庄内の山岳ジャーナリスト、菊地俊朗さん(81)が監修している。税込み1620円。

 刊行会は28日、松本市役所で記者会見。同市山岳観光課の加藤市朗課長は「今後の山岳関連イベントで活用するほか、市内の小中高校などにも配布したい」と話した。

 一方、クライマーズ・ブックの実物は8月2日〜9月4日、松本市博物館で特別展示する。ウェストンの著書や関連写真も並ぶ予定だ。実物は現在、上高地温泉場の流れをくむアルピコグループの上高地ルミエスタホテルで保管。普段は一般公開しておらず、同ホテルロビーでレプリカ(複製品)を展示している。

写真説明:刊行された「クライマーズ・ブック」の全訳本


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