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浅間山、2種類のレーダーで地殻変動把握へ
2015/06/28 11:12
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 国立研究開発法人の防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、火山の地殻変動を広範囲にリアルタイムで把握する技術を開発するため、浅間山(長野・群馬県境、2568メートル)山麓に9月にも2種類のレーダーを設置する。異なる特徴のレーダーを組み合わせる手法で、文部科学省地震・防災研究課によると、国内外の火山観測で珍しい試み。前兆がつかみにくい水蒸気爆発だった昨年9月の御嶽山噴火の経験も踏まえ、噴火予知の精度向上につなげる考えだ。

 設置するのは、レール上を移動することで広範囲に電波を飛ばして観測できる「合成開口レーダー」と、移動せずにほぼリアルタイムで観測できる「実開口レーダー」。1基ずつ、火口から4キロほど離れた地点への設置を想定している。

 合成開口レーダーは、データ処理に時間がかかるため、観測の間隔が空き、実開口レーダーも観測が狭い範囲のデータに限定される、という難点がある。同研究所は2種類のレーダーの長所を生かした有効なデータの組み合わせなどを検討し、3、4年後の実用化を目指すとしている。

 火山の地殻変動観測は一般に、地下のマグマ上昇などで山が膨張する現象を捉え、噴火を予測する。マグマが直接上昇しない水蒸気爆発では観測されにくいが、わずかな圧力の高まりが見られるケースがある。御嶽山では、噴火の7分前に山麓の傾斜計が山の膨らみを捉えていた。

 現在、多くの火山で地殻変動観測に使っている機器は傾斜計とGPS(衛星利用測位システム)で、どちらも設置場所の観測に限られる。これに対し、合成開口レーダーは、離れた場所から地図のように「面」で変動をつかめる。火口付近など機器を設置しにくい地点の観測も見込めるという。

 防災科学技術研究所は、マグマの移動経路などのデータが豊富なことから浅間山を設置場所に選んだ。今月16、19日にごく小規模な噴火を起こすなど火山活動が活発化しており、得られたデータは火山噴火予知連絡会の活動評価にも役立てる。仮に、噴火警戒レベルが現在の2(火口周辺規制)から3(入山規制)に上がっても、影響が小さい場所を選んで設置する。

 同研究所地震・火山防災研究ユニットの小沢拓主任研究員は「うまくいけば噴火前に局所的に発生する地殻変動にも対応でき、水蒸気爆発の予知に役立てることが期待できる」と話している。



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