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嘉門次小屋でつづった支倉常長の旅 上条さんが旅行記
2014/08/17 10:02
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 北アルプス上高地・明神(松本市安曇)にある嘉門次小屋のおかみ上條久枝さん(70)=松本市元町=が、約400年前に慶長遣欧使節団を率いた支倉常長(はせくらつねなが)の旅路をたどり、歴史を解説しながら、旅の様子を俳句などでつづった旅行記「柳絮(りゅうじょ)漂泊行記」(求龍堂)を出版した。小屋を閉じる冬季を中心に、足掛け3年かけて旅行。執筆は、豊かな自然に包まれた昔ながらの山小屋に腰を据えて行い、仕事の合間に仕上げた力作だ。

 支倉常長は1613(慶長18)年、仙台藩主伊達政宗の使節として、スペインとの通商条約締結のため、宮城県石巻市から出港した。宣教師ソテロと太平洋、大西洋を渡り、スペイン国王やローマ法王に面会。だが、条約締結は断られ、無念のまま帰国した。

 約10年前に東北地方を旅した上條さん。たまたま常長が船出した地を訪れたのを機に、使節団の「栄光と挫折」の旅路に心引かれ、「常長という人物を知りたい」と考えた。使節団に関する資料を集め、上陸したスペインの港からローマへの道のりを計3回に分けてたどった。

 上條さんは、上高地の自然などを題材にした俳句を詠み、句集の出版経験もある。知人の励ましを受け、出版を決意した。旅先の交流や使節団に思いをはせた句を織り交ぜ、斬新な構成にした。使節団の歴史も分かりやすく書いた。「集中力が研ぎ澄まされる」という嘉門次小屋に資料を運び上げた。「知識ゼロから始めたが、疑問を調べて一つ一つ納得する作業が楽しかった」と振り返る。

 上條さんは、常長の人間像を「立派なリーダー」と推察し、使節団は規律正しく訪問先で高く評価されたとみる。「通商条約締結の目的を果たせずとも努力を続け、主君に報告するために精いっぱい生きて帰ってきた気持ちの強さ」も浮かんだという。349ページ。税込み2160円。嘉門次小屋や、県内外の書店で扱っている。

写真説明:嘉門次小屋の囲炉裏の前で、本を手にする上條さん=北アルプス上高地・明神



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