信州山小屋ネット~朝日に染まる白銀の山々(大町市の山岳博物館から)

西駒山荘 荷下げ
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西駒山荘
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霧ケ峰
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涸沢
涸沢

傷ついたヘルメット、有効性一目で 涸沢の案内所に展示
2014/08/06 12:39
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 北アルプス涸沢(標高約2300メートル)の県涸沢山岳総合案内所の前に日中、傷ついたヘルメットが置かれている。涸沢と奥穂高岳を結ぶ登山道で、7月に滑落した登山者が実際にかぶっていたものだ。穂高連峰一帯は、県山岳遭難防止対策協会がヘルメット着用を促す「着用奨励山域」5カ所の一つ。ヘルメットが身を守ってくれることがあると示す実例として、注意喚起に役立っている。

 ヘルメットは7月31日午前6時40分ごろ、涸沢から穂高岳山荘に向け登っていた山口県下関市の男性(66)が、バランスを崩し約10メートルほど滑落した時着けていた。男性は両手足に擦り傷や打撲の軽症を負ったが、頭は無事だった。

 男性は、涸沢ヒュッテが昨季から始めたヘルメットの有償貸し出し(1日千円)を利用。「涸沢ヒュッテ」と書かれたシールがえぐるように剥がれており、岩に頭を打ち付けた衝撃を物語る。

 同じ登山道では同31日午後、転倒し、顔と足に打撲を負った仙台市の女性(66)もいた。夫、息子と3人で岳沢小屋から前穂高岳(3090メートル)、奥穂高岳(3190メートル)を経て穂高岳山荘に泊まる予定だった。だが、雨予報を知り、その日のうちに涸沢まで下りることにした。

 午後1時すぎ、両手でストックを持ち、岩場を下っている時、左のストックが引っ掛かり、バランスを崩して左前に転倒、顔と膝を打った。女性は「1回転したのが自分でも分かった。後は下りるだけという気持ちだった。疲れもあった」と振り返った。

 転倒の約5分後に、パトロール中の県警山岳遭難救助隊員と夏山常駐パトロール隊員が通りかかり、女性らと一緒に涸沢まで下った。救助隊員の川瀬秀一郎さん(25)は「前転したようで心配だったが、ヘルメットをしていたので頭は大丈夫だった」と話した。女性は自前のヘルメットを着用しており、左前部に岩にぶつけた跡があった。

 ヘルメット着用の奨励は昨シーズンから本格的に始まり、まだ登山者に十分浸透していない。救助隊などが涸沢ヒュッテと涸沢小屋の夕食時、注意を呼び掛ける出前講座で傷ついたヘルメットを宿泊者に見せ、有効性を伝えている。

 涸沢ヒュッテの山口浩一さん(36)によると、今は1日20個ほどのヘルメットを貸し出している。「実際に事故に遭ったヘルメットを見て借りる人もいるようだ」という。

写真説明:黒いシールが剥がれ傷ついたヘルメットを案内所前に置く救助隊員。ガムテープに事故があった日時や場所を記した



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