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上高地の山荘管理人 韓国人登山者にアドバイス
2014/07/27 08:13
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 中央アルプスで昨年7月29日に起きた韓国人の大量遭難事故から1年が経過するのを前に、北アルプス上高地にある山荘の管理人、内野かおりさん(44)=諏訪市岡村=が26日、北ア南部地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)の初の韓国人向け相談員として、登山をする韓国人に装備品やルートなどのアドバイスを始めた。昨年の事故を風化させずに「山際」で助言することで、より効果的な遭難防止につなげたい―と考えている。

 26日午後6時半すぎ、上高地小梨平のキャンプ場。内野さんは、槍・穂高連峰を目指す韓国人グループ12人に流ちょうな韓国語で「今年はたくさん雪が残っている。装備は何を持ってきていますか」などと尋ねた。8月15日まで数日間、横尾の相談所に立つ。韓国人が登山拠点にする小梨平のキャンプ場でも暇をみて相談業務をする予定だ。

 山小屋で働いていた内野さんは1998年、仕事の合間を見つけ韓国への語学留学を経験した。上高地の山荘管理人になったのは10年前。日本の山の厳しさや山小屋のマナーを知らない韓国人登山者の実態に触れ、夫の慎一さん(42)と北ア情報を韓国語で紹介するホームページを開き、情報発信してきた。

 ただ、昨年の中アの大量遭難に触れて「まだまだ情報が足りていない」と感じた。韓国人は最高峰が2千メートル弱の国内の山では飽き足りず、3千メートル級の日本アルプスに憧れを抱く。韓国のメディアによると、中アの遭難者には「お父さんの最後の海外旅行だから」と家族が旅費を捻出して送り出した男性もいたという。内野さんは「楽しみに来た日本の山で命を落とすのは悲しすぎる」と受け止めた。

 今年6月には、ホームページを刷新し提供する情報を充実した。そんな時、北ア南部遭対協から相談員就任を依頼された。内野さんは「韓国人の登山者に関心が向き始めたこの機会を逃したくない。できる範囲でやりたい」と快諾。慎一さんも「韓国人の生の声を聞くことができる」と背中を押してくれた。

 初日の相談業務を終えた内野さんは「山小屋経営者や救助隊の人たちの指導を見習いながら、夏山でも命を落とす可能性がある日本の山の厳しさをじかに伝えたい。私のような役割が必要なくなる日まで頑張りたい」と話した。

 管内で昨年2件、今年も1件の韓国人の遭難事故が起きている北ア南部遭対協事務局を務める県警山岳遭難救助隊松本班の岸本俊朗班長(36)は「山に精通し、語学も堪能な内野さんに助言してもらうのは心強い。情報不足の韓国人に正確な現地の情報を伝えてほしい」と期待している。

写真説明:27日から槍・穂高連峰を目指す韓国人に話し掛ける内野さん(右)=26日、上高地小梨平



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