中部森林管理局木曽森林ふれあい推進センター(木曽町)は12日、中央アルプス宝剣岳南側の極楽平付近で、高山植物の衰退を防ぎ復元するための作業をした。公募ボランティアら約30人が参加。登山者の踏み荒らしや風雨で荒れた地面に、土壌流失などを防ぐ植物繊維のマットを敷いた。
参加者は一巻きが重さ約3キロのマットを千畳敷から担いで登り、斜面など計約140平方メートルにピンで固定。マットの下に、周囲で採ったイワツメクサなどの種もまいた。ボランティアで参加した駒ケ根市の大塩裕重さん(70)は登山歴50年ほど。「日頃遊ばせてもらっている山へ感謝して作業した」と話していた。
植生復元作業は2005年に始まり、9回目。昨年までに駒ケ岳や伊那前岳8合目付近などでマットを敷いており、敷設面積は計約1810平方メートルに。同センターによると、イワツメクサやイワスゲなどが増えたという。
写真説明:極楽平付近で植物繊維のマットを敷く参加者