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浅間山噴火「系統樹」
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岳沢小屋従業員 登山家とペルー高峰で初登攀
2013/07/15 11:09
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 北アルプス岳沢の岳沢小屋の従業員、野田賢(まさる)さん(30)が6月、登山家の山野井泰史さん(48)=東京都奥多摩町=と一緒に、ペルーのプスカントゥルパ東峰(5410メートル)で南東壁からの初の登攀(とうはん)に成功した。標高差約700メートルの垂直に近い岩と雪の壁を2日間で登り切った。世界的に活躍する山野井さんとの達成に自信を深め、「培った技術を北アでの遭難救助にも生かしたい」と張り切っている。

 初登攀したプスカントゥルパ東峰は、首都リマの北側のワイワッシュ山群にある。山野井さんが3年前、山岳雑誌で目にして、鋭い山容に関心を抱き、一緒に登るパートナーを探していた。

 野田さんは横浜市出身。18歳で登山を始め、2010年から岳沢小屋の従業員として働き、日本アルプスや八ケ岳を登っている。昨年、ヒマラヤ遠征をしたが、雪崩に遭い、挑戦は不完全燃焼に終わっていた。野田さんは「一度は山を辞めようと思ったが、北アの山々を眺めていたら、また登りたくなった」。

 2人は同じ山岳会「日本登攀クラブ」所属。山野井さんは野田さんの気持ちを察し「おまえとだったら登れる」と1月に声を掛け、野田さんも快諾した。

 6月初めにペルー入り。高所順応で別の5千メートル峰に登った後、同15日に南東壁に取り付いた。ぼろぼろの岩と不安定な雪に苦戦。頂上手前で腰掛けた状態での露営を強いられながらも、16日に登頂に成功した。さらに休憩を挟んで、プスカントゥルパ東峰の北側にそびえるトラペシオ(5653メートル)の南壁にも挑戦。14時間かけて新ルートを開拓する成果も挙げた。

 野田さんは「出せる力は出し切った。次はアラスカの高峰を目指したい」。山野井さんは「よいパートナーに恵まれた。自分たちの力量を最大限発揮し、この数年で最も良い登攀ができた」と話す。

 岳沢小屋は、奥穂高岳、前穂高岳方面からの縦走路の中継点で遭難救助の拠点でもある。今後も登山と山小屋の仕事を両立する野田さんは「培った技術を救助の仕事に生かしたい。登山者にも気軽に相談してもらえればうれしい」とし、夏山シーズンの「安全登山」にも一役買いたいと意気込んでいる。


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