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西駒山荘 荷下げ
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西駒山荘
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霧ケ峰
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涸沢
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山小屋支える水力発電 北ア・槍沢ロッヂが改良重ね
2012/08/23 10:09
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 北アルプス槍沢にある山小屋槍沢ロッヂでは、湧き水に恵まれた立地を活用した水力発電に取り組んで20年以上になる。発電機や蓄電池を改良しながら徐々に発電効率を上げ、現在では小屋全体の使用電力の5〜10%を賄うまでになった。廊下の常夜灯や夜間のバイオトイレの運転に充てている。

 「豊かな自然を生かして電気を作れないか」と、経営者の穂苅康治さん(63)が小屋に水力発電を導入したのは1990年。槍沢の支流に湧く沢水をため、導水管に流し込んで発電を始めた。

 当初は電気工事を担当する地元業者が手作りした簡単な装置だったが、数年後の台風被害で流失したのを機に、当時発電効率の良かった米国製に交換した。2007年には環境省の補助金を得て蓄電池を導入。夜間の安定した電力供給を支えるなど、少しずつ改良した。当初約200ワット時だった発電量は現在約300ワット時までになった。

 ただ、現在も小屋の電力は軽油を使った自家発電が基本だ。年間約6千リットルを消費し、費用は70万円にも上る。さらにヘリコプターを使った軽油運搬も費用がかさむ。

 水路を設けて水を引いたり簡易ダムを築いたりすれば大きな電力を得られるが、現地は国立公園特別保護地区で、大掛かりな工事は制限されている。穂苅さんは「立地条件を生かし、できる範囲で水力の活用を進めたい」と話す。

 日本山岳会上高地山岳研究所で自然エネルギーの実用化実験を重ねる神奈川工科大学の森武昭教授(67)は、北アの山小屋で初めて実用化した取り組みを評価。「水力発電で300ワット時という発電量はかなり大きい。山小屋が軽油の発電機と併用するには有効な手段」としている。

写真説明:登山道の脇に設置した発電機の調子を見る槍沢ロッヂ従業員



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