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写真参考に南アの植生復元へ 静岡県が提供呼び掛け
2012/07/14 10:15

 ニホンジカによる高山植物の食害が深刻化する前の南アルプスの状態を把握しようと、静岡県が1980年代以前の写真を集めている。寄せられた写真を基に、仙丈ケ岳(3033メートル)へのシカ防護柵設置に加わっている信大農学部(上伊那郡南箕輪村)雑草学研究室は、植生の復元目標を検討する。長野県内からの写真提供も呼び掛けている。

 環境省は昨年9月に南ア生態系維持回復事業計画を策定。シカ被害確認前の80年代を目安に植生回復を図るとしたが、何がどの程度育った状態を「回復」とするかはあまり議論されていない。同研究室の渡辺修准教授は「写真によって多くの人で目標を共有し、元の状態に近づける努力をしたい」とする。

 静岡県は1月から、同県の高山植物保護指導員ら約380人に、かつてのお花畑の様子が分かる写真の貸し出しを依頼。これまでに約10人から200枚ほどが集まった。

 例えば、シカ食害を受けて2007、08年に防護柵を設けた三伏(さんぷく)峠(下伊那郡大鹿村・静岡市境)近くでは現在、柵内でシナノキンバイやムカゴトラノオなどが復活。ただ、寄せられた1986(昭和61)年の写真と比べると、今の方がミヤマシシウドが少なく、草丈も低いという。

 仙丈ケ岳の馬ノ背では、同学部や南信森林管理署などでつくる南ア食害対策協議会(事務局・伊那市)が08〜10年に柵を設置。本年度は食害跡に多いマルバダケブキを刈り取り、植生の変化を調べる。同研究室は写真から適度な手の加え方を探る方針だ。

 静岡県自然保護課によると、寄せられた写真はデジタル化して保存後、撮影地ごとに長野、山梨、静岡各県の関係機関に提供する予定。問い合わせは同課(電話054・221・3498)へ。



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