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厳寒山間地LED電球 八ケ岳の山小屋とメーカー開発
2012/02/17 18:44
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 八ケ岳の山小屋「赤岳鉱泉」(茅野市)と、光半導体製造の「コーデンシTK」(東京)が、山間地で使える発光ダイオード(LED)電球を開発し、県内の山小屋で徐々に導入されている。厳しい寒さや結露に耐えられるように改良。自家発電に頼るため電力供給が安定しない山小屋で省電力・長寿命というLEDの特長を発揮、成果を挙げつつある。

 横岳(標高2829メートル)の麓、標高約2200メートルにある赤岳鉱泉では、近くの沢に発電機を設置し、水力発電をして主な電源にしている。天候や沢の水量によって日々の発電量が変わるため、経営者の柳沢太平さん(52)によると、「以前は電圧が急に上がると電球が突然切れることも多かった」という。冬は屋外が氷点下30度になることもあり、電球の耐久性も大きな課題だった。

 こうした状況を知ったコーデンシTKの諏訪事業所(諏訪市)が、2008年に協力を申し出た。1年かけて70~120ボルトの電圧変動に対応でき、氷点下40~50度の環境下でも使える専用のLED電球を開発。09~10年の冬に赤岳鉱泉の全ての電球約150個を切り替え、実地試験を始めた。この3年間で目立った不具合はないという。

 柳沢さんは「省電力の効果も大きい」と評価する。冬場に暖房のため水力発電と併用していたディーゼル発電機を回す機会が減り、「燃料代が節約できて緊急用の電力に余裕を持てるようになった」と話す。八ケ岳で経営する別の小屋「行者小屋」でも約50個の電球を切り替えた。

 八ケ岳で夏沢鉱泉、硫黄岳山荘、根石山荘を経営する浦野岳孝(たかゆき)さん(51)も柳沢さんの話を聞いたのをきっかけに、現在は各小屋で計20個余のLED電球を使う。夏沢鉱泉は1998年に民間の山小屋として全国で初めて風力、太陽光発電を使った循環型水洗トイレを設置。浦野さんは「自然エネルギーで発電する山小屋にとって、電力消費が抑えられることは大きい。LED電球が山で普及していく可能性はある」とみる。

 北アルプスで槍ケ岳山荘など五つの小屋を経営する槍ケ岳観光(松本市)も、コーデンシTKのLED電球約100個を購入、三つの小屋で順次設置を進めているという。コーデンシTKの袖長修治副社長は「現地で一定の成果も出ている。日本を代表する山岳県・信州を中心に、この電球の販路を開拓していきたい」と話している。


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