県警地域課は30日、県内山岳の夏山情報(7〜8月)を発表した。北アルプスや中央アルプスなどで登山道に例年より多めの残雪があるとし、同課は「アイゼンやピッケルなどの装備をそろえ、天候の急変にも注意してほしい」としている。
県警は情報をまとめた冊子「夏山情報」を、昨年夏より1300部多い3千部作成。県外の登山者の遭難が目立つことから、都内の登山用品店などでも約500部配る。
地域課によると、昨夏は遭難件数が104件(前年同期比39件増)、遭難者は110人(同42人増)で、統計がある1954(昭和29)年以降で最も多かった。
昨夏の入山者は約38万人で、同課は「今夏も同程度が見込まれる」としている。例年、転落・滑落や転倒が多いことから「特に下りを慎重にしてほしい」と注意を呼び掛けている。期間中は上高地(7月16日〜8月21日)や涸沢(7月14日〜8月22日)など県内35カ所に登山相談所を開設して入山者への安全指導を行う。