信州山小屋ネット~朝日に染まる白銀の山々(大町市の山岳博物館から)

「山の手帖2018」
「山の手帖2018」

松本 山岳フォーラム
松本 山岳フォーラム

浅間山噴火「系統樹」
浅間山噴火「系統樹」

松本 山岳フォーラム
松本 山岳フォーラム

松本 山岳フォーラム
松本 山岳フォーラム

高地順応の効果どこまで持続 松本大・酒井教授ら研究
2011/05/25 10:06
YAMA201105250135380153827126.jpg

 松本大(松本市)の酒井秋男・スポーツ健康学科教授(68)=高地医学=の研究室は、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の未踏峰登頂に今夏挑む信濃高等学校教職員山岳会の登山隊員(6人)を対象に、人体の高地順応効果の持続性を研究する。結果は、一般登山者向けのトレーニング方法にも応用できるといい、全国的に珍しい研究だ。

 酸素が薄い高地では、酸素が少なく高山病にかかりやすくなる。少しずつ高度を上げて登山すると、高地に体が順応して血中の酸素の割合「酸素飽和度」が下がりにくくなる。

 既に同大の低酸素室を使って、隊員5人の酸素飽和度を専用機器で測定した。隊員たちは、標高3200メートル相当する酸素濃度15%余の空気を吸いながら自転車をこいで、酸素飽和度の推移を調べた。安静時90%余だった酸素飽和度は80%台に下がった。

 7~8月に登山した後、月1回のペースで、同様に測定を続け、登山前や一般の人の値と比較する。

 酒井教授が隊長を務め、エベレストのベースキャンプなどを訪れた1992年の信大の学術登山隊でも同様に調査し、帰国後半年を経ても順応した状態が続いたことを確認。今回はさらに研究の実証性を高める狙いがある。

 標高2700メートル以上では重度の高山病になる危険性があるといい、酒井教授は「高地順応の効果がどれだけ続くか分かれば、高山に行く最適なペースやトレーニング方法が分かる」と説明する。

 日本登山医学会理事で鹿屋体育大の山本正嘉教授(運動生理学)によると、長期の測定が必要でこれまであまりない研究といい、「これまで以上に合理的なトレーニング方法が分かる」と評価する。隊員で県山岳協会理事長の大西浩さん(51)=池田工業高校教諭=は「測定データは県山協でも分析し、今後に生かしたい」と話している。

 登山隊は7月中旬に日本を出発。崑崙(クンルン)山脈の未踏峰ヤズィックアグル峰(6770メートル)の登頂を目指し、約1カ月後に帰国する。



北陸と信州・長野、新潟の観光情報が満載! 北陸・信越観光ナビ

信州山小屋ネット


掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます
© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun