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南アお花畑復活、信大が実証 マルバタケブキ刈り取り
2011/02/17 09:49
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 南アルプスの高山帯で、ニホンジカの食害を受けた跡に繁茂しているマルバダケブキを刈り取ると、ミヤマキンポウゲなどのお花畑が復活することを、信大農学部(上伊那郡南箕輪村)の渡辺修准教授(植生管理学)の研究室が実証した。高山植物を刈り、植生復活の状況を見る実験は全国でも珍しい。環境省は生物多様性の確保に向け、増え過ぎた植物を刈り取ることを検討中で、そうした対策に反映させたい考えだ。

 実験は、伊那市や同学部などでつくる南アルプス食害対策協議会がシカ防護柵を設けた仙丈ケ岳(3033メートル)の馬ノ背で実施。マルバタケブキは葉の直径が20センチほどになり、増え過ぎると日照を遮り植生が単調になる。

 研究室は環境省の許可を得て2009年8月、柵内の縦10メートル、横2メートルほどの範囲でマルバダケブキを除去。1年後の昨年8月、植物が占める面積や草丈から算出した量を柵内の別の区画と比べた。

 その結果、マルバダケブキは手を加えない区画で全植物量の約3分の2を占めたが、刈り取った区画では約4分の1に減った。また、刈り取った区画ではミヤマキンポウゲの量がマルバダケブキをわずかに上回り、キバナノコマノツメ、タカネスイバもマルバダケブキとほぼ同じ量だった。マルバダケブキ以外の植物の量は、手を加えなかった区画の約1・4倍に増えた。

 渡辺准教授は「多様な植生とは言い難いが、回復の速い種類から復活しつつある」と説明。繁茂するマルバダケブキが土壌を保ち、他の植物の種子が流失するのを防ぐ面もあるとして「一斉に刈り取るのではなく、場所を選びながらほどほどに管理するのが望ましい」と提案している。

 一方、マルバダケブキの種子を採取して実験室内で発芽率を調べると、気温5~20度で45~65%程度と一般的な高山植物を大幅に上回った。食害を受けた場所で目立つのはシカが好まずに避けたためとみられてきたが、「食べられた後、再生力が強く回復した」と推測している。

 実験結果は、同協議会が19日午後1時半から伊那市生涯学習センターで開くシンポジウムで報告する。



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