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霧ケ峰
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涸沢
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イノシシ食害、高山に拡大 北ア・乗鞍岳などで確認
2009/12/12 10:46

 県内の高山帯でイノシシの食害が広がっていることが、中村浩志・信大教育学部教授(鳥類生態学)の11日までの調査で分かった。中村教授は、イノシシが高山植物を食い荒らした跡を北アルプス乗鞍岳(3026メートル)と南アルプスで確認。国特別天然記念物ライチョウの生息域にも侵入しているという。

 中村教授は9月、乗鞍岳の標高約2700メートルの南斜面で、高山植物が群生する「お花畑」が茶色く変色しているのを発見。土が深い所で30センチほど掘り返され、タカネヨモギなどの根が食べられていた。こうした跡が約1・5ヘクタールに点在。イノシシ特有の深い掘り返し方で、ふんもあった。

 同教授によると、一帯はライチョウの繁殖地。ライチョウの餌のコケモモやクロマメノキも被害に遭っていた。乗鞍岳ではライチョウの縄張りを58カ所確認しており、「放っておくとイノシシに餌を取られ、ライチョウの数が減る可能性がある」と指摘する。

 中村教授は2006年9月に、南ア北岳(3193メートル)でもイノシシに高山植物が食い荒らされた跡を確認。イノシシは通常、里山の広葉樹林などにすむが、夏場は高山植物など餌が豊富な高山帯に移動してきたと推測し、「頭数が増え、従来は平面的に拡大してきたイノシシの分布が、低い場所から高い場所へと広がるようになった」と話す。

 安藤裕・筑波大名誉教授(動物学)は「標高2700メートル付近にイノシシが生息している例は聞いたことがない」。吉田利男・信大名誉教授(動物生態学)は「夏以降の天候不順でキノコなど餌の不作が影響している可能性がある。集落でイノシシ対策がなされ、山を上がったのかもしれない」としている。



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